【提言】目黒区ポイ捨て・犬のフン放置対策について

目黒区議会議員の山本ひろこです☆

決算特別委員会にて、
「ポイ捨て・犬のフン放置対策」
についての質疑を行いましたので
ご報告します!

■実は目黒区にはポイ捨て条例がある

オシャレできれいで安全なまち
というイメージがあり、
そういう治安の良さで
目黒に住んでくださっている方も
多いかと思われます。

一方で、
豪邸が並ぶような高級住宅地であっても
犬のフン放置が繰り返されたり、
タバコのポイ捨てに困っている地域もあります。

ゴミが放置されている所に
他の人もゴミを捨ててしまい、
ゴミが溜まっていくように、
美化の悪化を放置しておくと、
咎められないことに便乗して、
さらに美化が害されていく
というということもあります。
また、
マナーの呼びかけでは全く効果のない、
悪質なケースもあります。

こうしたことを背景に
目黒区では
平成15年度に
「目黒区ポイ捨てなどのないまちをみんなでつくる条例」
が制定されました。

(禁止行為)
第7条 何人も、公共の場所にみだりに吸い殻、空き缶等を捨ててはならない。
2 犬を所有し、又は管理する者は、公共の場所に犬のふんを放置してはならない。
とある。

(勧告等)
第11条 区長は、第7条第1項又は第2項の規定に違反した者に対し、吸い殻、空き缶等の散乱又は犬のふんの放置を防止するための必要な措置を講ずるよう指導し、及びこれらの規定を遵守するよう書面により勧告することができる。

第12条 区長は、前条第1項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなく当該勧告に従わないときは、書面により当該勧告に従うべきことを命ずることができる。

第15条 第12条の規定による命令に違反した者は、30,000円以下の罰金に処する。

■しかし目黒区のポイ捨て条例は罰金条例ではない

条例には、
最終的に3万円の罰金を徴収できる
記載はあるものの、
そこに至る過程が長く、
制定以降、
一度も罰金を課したことはありません。

条例記載の過程をわかりやすく書くと・・

①口頭での注意指導
→それでも守られなければ
②注意指導の上、住所氏名の聴取
→それでも守られなければ
③書面での勧告
→それでも守られなければ
④区長名義の最終勧告
→それでも守られなければ
⑤罰金の通知

と、かなりの段階を経ての罰金なので、
ほぼ罰金に至ることは考えにくいですよね。
住所氏名の聴取の時点で逃げられそうですし。

なぜこういう仕組みになっているのかというと、
そもそものこの条例の目的として、
あくまでも抑止効果を狙った条例であって、
違反したら即罰金というような
取り締まり目的の条例ではない、
とのことでした。

■青パトのパトロールで抑止できないか

区内安全パトロール、
通称「青パト」は、
「区内の犯罪防止と子どもの安全対策
などを目的として、
青色回転灯を装着した自動車で行う
3交代勤務による24時間365日の生活安全パトロール」
と公式WEBサイトで説明されていますが、
実際には
「青パトがいても何もしてくれない」
という声をよく聞きます。

生活安全課によると、
青パトは、
2車両4名体制の警備会社への業務委託で実施しており、
7〜15時は2車両、
それ以外の時間は1車両で、
区内を車で循環することでの
犯罪抑止効果を狙って
パトロールしているとのことでした。
主な警戒対象は、
小中学校、保育園、住区センター、区立公園、
等です。

警察官ではないため、
車から降りて
個別案件を取り締まるようなことはできず、
事件の現行犯を見つけた場合などは、
速やかに警察に連絡する
という運用になっているそうです。

また、
警察からの不審者情報が入った場合は、
該当地域にて、
車両からのスピーカーで注意喚起の音声を流して、
(これを音声広報と呼びます)
近隣での被害拡大を抑止しているそうです。
警察との連携はするけれども、
警察官のような強制力はありません。

一方で、静かに巡回している場合、
青パトに偶然出会わない限りは、
周辺をパトロールしていることが伝わりませんが、
区内を1〜2台で巡回している以上、
特に住宅地で青パトに出会うことは、
めったにありません。

ゆえに、
抑止効果を狙ったパトロールをしているのであれば、
パトロールしていることが、
より広くその近隣地域に伝わるように、
悪質なポイ捨てや
犬のフン放置で困っている地域では、
マナー啓発の音声を流して、
被害抑止をして貰えないかと訴えましたが、
他にも様々な音声広報の要望があるため、
警察署の緊急情報以外には
対応しかねるとのことでした。

地域の安全パトロールということであれば、
被害に困っている地域事情に応じて、
柔軟な対応があってしかるべきではないでしょうか。
食い下がって質問しましたが、
今回は全く検討して貰えませんでした。

とはいえ、以前にも、
全く検討して貰えなかった事が、
気づけば実施されているという事もあるので、
担当者や時代の変化によって、
今後また変わってくると思います。

■シルバー人材センターによるパトロールはどうか

目黒区ではタバコのポイ捨て対策として、
シルバー人材センターへの委託で、
「路上喫煙禁止及び歩行喫煙禁止啓発パトロール」
として、朝夕の時間帯で、
駅前、駅周辺のパトロールを不定期実施しています。
事情によっては、
足を伸ばして少し離れた地域も
パトロールすることもあるそうです。

ただ、犬のフン放置については対応していません。
タバコを拾うのと、フンを拾うのでは、
衛生面でも大きな違いがあるため、
そこは別業務になってしまうかとは思います。

こうした清掃は別の話として、
犬のフン放置の抑止のため、
悪質な被害エリアを
巡回パトロールしてもらえないかと訴えました。

昨年度の決算額としても、
「環境美化の推進」事業の執行率は38.3%で、
2千万円以上の不用額(使わなかった予算)
がありますので、
事業拡大は可能かと思われます。

こちらについては、
パトロールの手法含め、
前向きに検討していくとのことでした。
今後の対応に期待しましょう!

■時代に応じた美化対策を

日本全体では少子高齢化が進む一方で、
目黒区など都心では、
毎年10%程度の住民が出たり入ったりしており、
人口も2040年まで増えていくことが予測されています。

新住民がどんどん増えていく中で、
マナー啓発だけでは、なかなかまちの美化が
保てなくなってくることもあるかと思います。
条例制定から20年が経ちましたが、
そろそろ時代に応じた
修正が必要になる頃かもしれません。

この20年で、時代はかなり変化しました。
まちの美化対策も、
時代に応じてアップデートしていくべきですし、
まちの美化は環境問題でもあり、
衛生問題でもあります。
単なるマナーの話ではないという観点から、
今後の対策を注視していきたいと思います。

他にも地域のお困りごとがありましたら、
お声かけください。