■キンキンの一生■
10年前に娘が縁日で貰った金魚のキンキン。
最初2匹で我が家に来たのだけど、もう1匹がいつもエサを独り占めするので、数ヶ月でデカとチビのコンビになってしまった。
が、1年もしないうちに、欲張りデカは亡くなってしまい、チビのキンキンは1人に。のびのびと過ごしていたら、デカと同じくらい大きくなった。
それから9年、途中何度か病気もしたけど、キンキンは元気に長生きしていた。
そこにまた娘が縁日で金魚を2匹貰ってきた。合計3匹になったので、大きな水槽に買い替えたのだけど、あっという間に新入り1匹が亡くなり、翌月にもう1匹も亡くなった。
そしてまたキンキンは1人になった。
しばらくは広い水槽で気持ちよさそうに泳いでいた。歳をとってきたのか、最近はエサをあげても違うところをパクパクしたりと、目がよく見えてない感じになっていた。じっとしてる事も増えつつあった。
数日前から、明らかに動かなくなった。やがて体制も保てなくなり、くの字に横たわって、一生懸命エラ呼吸を続けていた。水槽をコンコンとノックすると、一瞬目が覚めたように動いた。私は悲しくて泣きながら、キンキンに色々な思い出を語りかけた。やがてその細い息も途絶えた。
10年もリビングに水槽を置いて、家族と一緒に暮らし、みんなキンキンの事は見てたけど、毎日お世話をしていたのは私だけで、最後のお別れも私1人。
金魚の存在ってその程度のものかもしれないけど、命を預かった私は、みんな大事に育ててきた。これまで短命で亡くなった金魚たちも、弔ってきた。
10年もお世話したキンキンは、私にとって特別だった。
キンキン、今まで元気に長生きしてくれてありがとう!
キンキンが生きた証をここに記す。