【タブレットは救世主?ハードが手に入っても残念なソフト状況】

文科省がぶち上げている「GIGAスクールネットワーク構想」により、補助金が出るようになったので、どの自治体もようやくICT教育に重い腰を上げ始めたわけですが、その多くはモノを買って終わりとなりがちです。

先日、某IT企業の友人と「本当の課題はハードではなくて、ソフトだ」という話で盛り上がりました。これまで、「端末を持っていない家庭があるから」という理由で、なかなか始まらなかったオンライン授業ですが、端末を手に入れたところで、提供するコンテンツが良くなければ、全く意味がないわけです。

例えば、目黒区では、先日の緊急事態宣言中に、端末を持っていなかったり、インターネット環境がなかったりする家庭に、端末の貸し出しを行いました。
https://www.city.meguro.tokyo.jp/smph/kyoiku/gakko_kyoiku/hoshin_unei/ictkashidashi.html

そこまでしてオンライン受信環境を整えて、一体どんな授業が提供されるのだろうと期待していたら、届いたのは、各学年の先生方が日替わりで作ったメッセージ動画でした。。。オーマイガット。
このために、わざわざ端末貸し出しまでしたのかと思うと、その無用な手間と残念な活用法にガッカリです(T ^ T)

そもそも、ハードを用意するから、ソフトは自分たちで用意せよというのは、学校の先生方には酷な話です。民間にはオンライン学習教材は大量に存在しており、保護者がお金を払っても買うほど、そのクオリティは高いのです。学校の先生が片手間で、そういったプロ教材に勝てるくらいの教材を作れるわけがないのです。

この記事
https://toyokeizai.net/articles/-/361033
でも言われているように、既存の授業スタイルは限界を迎えています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代を迎えた今、従来型の授業制度を大きく見直し、民間の教材をうまく活用して、先生は個別指導に専念するという役割分担をしていくことこそが、新しい時代を担う子ども達に必要なソリューションだと思います。

逆に、今やどの教育委員会も掲げる「個性尊重」は、個別指導ができる環境なくして実現できません。「一斉授業」と「個性尊重」は、反比例する課題です。先にも挙げたように、機器類の普及は、ハード(システム環境)構築の話であり、どう活用するか(ソフト)が一番の課題なのです。ハードはインフラですから、補助金で端末を購入して満足するのではなく、このインフラ活用ありきの教育方針に変えて貰いたいですね。