まちなかアート「家プロジェクト」が、地域コミュニティをつなぐ

目黒区議会議員の山本ひろこです☆

瀬戸内海に浮かぶ、アートの島「直島」の、
街なかアート「家プロジェクト」
を視察してきました!

写真は直島町役場の議場。
この建物もデザイン建築で素敵です。
町長さん、ベネッセの役員さんから、
直島についてのあれこれ、
ご説明いただきました。

直島は、面積14.21㎢で、
目黒区とほぼ同じ大きさですが、
人口は2941人と、目黒区の1/100ほどの、
自然豊かで温暖な島です。

江戸時代から海運業や製塩業の島として栄え、
大正時代には
三菱鉱業(現三菱マテリアル(株))が設立され、
工業の島として栄えました。

その後、平成元年に、
福武書店(現(株)ベネッセホールディングス)が
国際キャンプ場をオープンし、
以降、ベネッセミュージアムや地中博物館など
様々なアート施設を作り続けています。

島は大きく3つのエリアに分かれており、
北部が三菱マテリアルのある産業エリア、
中部が役所や学校が集中する居住・文教エリア、
南部がベネッセのアートエリアです。
エリア分けされていることで、
それぞれが独自の環境を保てています。

ベネッセのアート系施設や宿泊施設は、
基本的にはアートエリアにあります。
私有地に入口にはゲートがあり、
そこから先は、車も自転車もNG。
歩いて風景とアート作品の調和を楽しむため、
許可された車しか通れません。

それぞれの施設がとても立派で美しく、
宿の稼働率は9割超えだそう。
欧米人観光客が圧倒的に多いのですが、
そのきっかけは、米雑誌「Traveler」で、
「世界で行きたい7ヶ所」に紹介された事だったとか。

また、旅人のバイブル「Lonly Planet」で見てみると、
日本で絶対行くべき場所トップ10のうち、
1位 東京
2位 京都
3位 直島
と、3位にランキングされてました・・!
https://www.lonelyplanet.com/articles/best-places-to-visit-in-japan

ただ、交通も宿も食事も、
富裕層向けのサービスとしては不足なので、
アート目当ての海外富裕層を取り込むのは
難しそうな気がします。

さて、話を戻しまして、
アートエリアの立派な施設とは対照的なのが、
民家が立ち並ぶ街の中に点在する
「家プロジェクト」です。
古い家屋や神社、寺などの跡地を、
アート空間として再生させた小規模な作品が、
街なかに、ぽつん、ぽつん、と点在しています。

作品をいくつかご紹介します。

  • 「角屋」
    水の中には、数字をカウントするネオンサインが
    散りばめられています。
    カウントの早さがバラバラなのは、
    住民がそれぞれ、
    自分の感じる時の流れの早さに合わせて
    セットしたから。
    せっかちな人から、のーんびりの人まで、
    色々いて面白いです。

 

  • 「護王神社」
    社殿と地下の石室をガラスの階段で結んでいる。
    アートスポットでもあり、地元の神社でもあるので、
    秋にはお祭りが開かれるそうです。

 

  • 「石橋」
    旧石橋邸ゆえ、石橋。
    自然光で見る襖絵と、
    薄暗い倉の中で鑑賞する滝の絵。
    光の対比で感覚が研ぎ澄まされます。

 

  • 「碁会所」
    かつて島民が集まって、碁を楽しんでいた事に由来。
    庭の椿は本物。
    振り返ると部屋の中にも椿。
    でも部屋に飾られた椿は、、
    何でできているでしょうか。
    聞いても、間近で見ても、わからないほど、
    精巧に作られています。
    また、左右並んだ双子のような部屋にも、
    微妙な違いがあります。

部屋の手前にある、
竹の置物。
双子の部屋の片方は本物の竹、
片方は細工です。
これも見分けがつかない・・!

6つの作品をまとめて鑑賞できる
共通チケットも販売されていて、
古い街並みを歩きながらアート鑑賞が楽しめる
観光スポットになっています。

最初は「現代アート?」と
遠巻きに見ていた地元の方も、
数ヶ月もすると地元の人気スポットに愛着が沸き、
お掃除や道案内など手伝ってくれているそうです。

家プロジェクトを通じて、
街なかにアートスポットができるだけでなく、
地域コミュニティが活性化するなんて、
素晴らしいですよね。

街の中には、作品以外の
アートスポットもちらほら。

面白いですよね。

素敵なアートには、人と人を繋ぐ力があります。
目黒区でも、
こうしたユニークな試みが、
あちこちの地域で
アメーバ状に広がっていくと良なと思います。