プサン市ドンネ区議員団との懇談〜日韓ふるさと納税の違い

 

プサン市の北部にあるドンネ区の議員団が、同じくらいの人口規模だということで、目黒区に視察に来られました。

メインテーマの1つは、ふるさと納税について。
なぜふるさと納税?と思ったのですが、調べてみると、日本のふるさと納税を参考にして、韓国でも1年前から「故郷愛寄付制」という同様の制度が始まったそうです。

理由は日本と同じく、少子高齢化と都市部への人口集中への対策ですが、制度内容は少し違うようです。

●日本の「ふるさと納税」

上限金額 寄付の上限額は、寄付者の所得に依存します。一般的には、年収によって異なり、数万円から数十万円の範囲内です。
控除額 寄付額に基づいて所得税および住民税から控除されます。ただし、控除される金額には上限があります。
返礼品 寄付を行った自治体から返礼品が提供されます。返礼品の種類は地域によって異なり、その価値は寄付金額の30%以内に制限されています。
課題 返礼品の品質維持や運営コスト、地方自治体間の格差が課題とされています。

 

●韓国の「故郷愛寄付制」

上限金額 個人は年間最大500万ウォン、法人は30億ウォンまで寄付可能です。
控除額 10万ウォンまでの寄付金額については全額が税金から控除されます。10万ウォンを超える金額については、寄付金額の16.5%が所得税と地方所得税から控除されます。(最大限度額は500万ウォン)
返礼品 寄付した場合、最大でその30%に相当する返礼品を受け取ることができます。返礼品の種類は各自治体により異なります​​​​。
課題 まだ新しい制度ゆえ、今後の認知度の向上や参加促進が期待されます。

 

日本ではほぼ全ての自治体が返礼品を提供していますが、韓国では返礼品の提供が始まったばかりです。それゆえに、韓国から先行自治体である日本各地に視察団が訪れているようです。

国全体では人口減とはいえ、ドンネ区は若者の転入者が多く、地方税は増えているそうです。また、区内に製造業が少ないので返礼品選びが大変、PR方法にも苦戦とのこと。この辺りは目黒区と似ています。

ふるさと納税自体は、地方活性化の一端を担っている面もありますが、ややこしい仕組みであり、自治体間の格差やら10%を超える高額なサイト手数料など、色々課題があり、それら全てが税金で負担(運営)されているというのが、おかしな話だと思います。

韓国版のふるさと納税がブラッシュアップされて、制度を逆輸入するということもあるかもしれませんね。